昨日と今日、土日ということもあり多くの方がお彼岸を迎えるためにお墓のお掃除やお参りに来られています。「お彼岸」は春分・秋分の日を中日とした季節の変わり目で、太陽が真東から昇り、真西に沈む日です。古来より自然の恵みに感謝して、五穀豊穣を願い、太陽を拝み死後の安らぎを願う法要が営まれてきました。そこに、団子、ぼたもち、おはぎなどを仏壇に供え、お墓参りに出かける日本の習慣ができました。
「彼岸」は古いインドの言葉、サンスクリット語のパーラミター(波羅蜜多)が語源とされており、パーラミターとは到彼岸、つまりは心落ち着いたさとりの境地を意味します。これに対し、私達が住む世界を此岸(しがん)と言い、迷いにとらわれた世界です。此岸にいる者が「布施」「持戒」、「忍辱」、「精進」、「禅定」、「智慧」の6つを修業することで、彼岸に行くことができるとされています。6つの修業を『六波羅蜜』と言います。「布施」は相手や社会のために物や心を施し、我欲を離れる。「持戒」は自らをかえりみる心をもち慎んで生きる。「忍辱」は広い心で相手を受け入れる。「精進」は何事も心をゆるめずに行う。「禅定」は自分を調える時間をもって日々を生きる。坐禅ですの実践です。「智慧」は知識ではなく、ものごとの道理を正しく理解して生きることです。
白峰寺の秋の彼岸会法要は、中日の22日午前9時からとなります。お彼岸は、今ある自分を育んでくれたご先祖様に感謝し、自分自身を見つめ直すいい機会です。共に『六波羅蜜』を生活の中で実践してまいりましょう。